よしおのブログ

東北芸術工科大学企画構想学科OBOG会のひと・よしおが綴るアンオフィシャルな日報

エクセルこわくないよ講座(第3回:コピペするとセルの色が変わっちゃうですけど問題)

社会人になるとそこそこ複雑な関数やマクロを使ったりするのですが(よしおは無理)、大学生くらいだと初歩の初歩さえ押さえていればプロジェクト運営の効率化に活かせるよーというお話が第1回と第2回。

 

しかし、学生のみなさんとデータのやりとりをしていると、実は関数やマクロのような部分ではなく、思わぬところで難儀していることがわかりました。それが「コピペをすると、ペースト先のセルの色・罫線が変わってしまう」という問題です。

 

 

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この表は実際の2017-2018シーズンのB2リーグの平均得点ランキングです。このうち山形ワイヴァンズに所属している2選手に紫色の網掛けが施されています。

 

 

この表の一部のセルを、別の表にコピペしてみましょう。

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( ↑ 平均得点ランキング7位ウィル・クリークモアさんをコピーしている状態です)

 

 

で、ペーストしたい表はこちら。山形ワイヴァンズのチーム内平均得点ランキングの表の、1位の欄にウィル・クリークモアさんをペーストしてみます。

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すると…

 

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何も考えずにCommand+CとCommand+Vをする*1と↑のように、コピー元のセルの網掛けまでペーストされてしまいます。

 

まるでキッパリ別れたはずなのに前の恋人の色に染まっているような*2コピペでは作業効率が落ちてしまいますので、今回で言えば「ウィル・クリークモア」という文字だけコピペする方法を試してみましょう。

 

まず、コピーしたいセルを選択する方法は同じです。マウスや矢印キーを動かして任意のセルを選択して、Command+Cを押します。

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違うのはペーストの手順。ペーストしたいセルを選択して「右クリック」をしてください。すると次の画像のようなポップアップが出てきますので、そこから「形式を選択してペースト」をクリックします。

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続いてこのポップアップが開きますので、「数値」を選択してOKをクリックします。そうすると…

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はい、このとおり!

 

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紫色の網掛けはペーストされず、「ウィル・クリークモア」という文字(数値)だけがペーストされました。この「形式を選択してペースト」という機能が、コピー元のセルから、必要な情報だけに絞ってペーストすることができる機能ということが伝わりましたか?

 

 

この「形式を選択してペースト」という機能、初歩的ですが覚えておくとさまざまな場面に応用できます。例えば「ある表の書式を、別の書式にも反映させたい」という場合でも対応可能です。

 

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 まずコピー元の表がこちら(先程とほぼ同じです)。書式は「見出しにグレーの網掛け」「データ欄は黒の実線」となっています。

 

 

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で、ペースト先の表の書式は「見出しに紫の網掛け」「データ欄は黒の点線」「外枠は黒の太線」となっていますね。(ウィル・クリークモアさんが抜けてるのは気にしないでください特に意味はないです)

 

それでは、この2つの表の書式を統一させてみましょう。今度は「数値」ではなく「書式」を選択してコピペしましょう。

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すると…

 

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はい!元の表から選手名などのデータはペーストされずに、表の書式だけがペーストされました!(「フォント」「文字の色」などの書式もコピペすることが可能です。)

 

この「形式を選択してペースト」は、他に「列幅だけをコピペ」とか「数式をコピペ」とか「罫線を除く全てをコピペ」という指定をすることができます。ね?無駄な作業が減りそうでしょ?

 

 

 

…少しは「形式を選択してペースト」機能のことがわかってきましたか?もう一歩だけ踏み込んでみましょう。

 

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左側の列に10人の名前・右側の列に数字が入力されいますが、右側の列にはいくつか空欄のセルがありますね?この空欄を放置したままSUM関数を設定するとエラーの原因になってしまうので、何かしら入力しておきたいところ。よって「0」を入力しましょう。今回は10人しかいませんので手作業で0を打っていっても手間ではありませんが、100人200人300人…という人数になるととんでもない手間であるばかりかミスの原因にもなります。そこで「空欄に、半自動的に0が入力されるようにする」というコピペを施します。

 

 

はじめに、任意のセルに「0」と入力しコピーします。その状態のまま右側の列のセルを複数選択します。

 

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(↑ コピー元が緑の点線、ペースト先が緑の実線となる。)

 

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続いてこれまでと同じ手順で「形式を選択してペースト」のポップアップを開きます。空欄のセルに「0」を入力する方法として、ペーストを「数値」・下段の演算を「加算」に設定しOKを押します。すると、

 

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このとおり!要は「複数選択されたセルに0を足す」というペーストを行いました。よって既に数字が入力されているセルは「n+0=n」となり影響を受けていないままで、空欄のセルには「0」が入力されたということです。

 

 

 

応用するとこんなこともできます。

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先程は「0を加算」にしましたが、今回は「1を減算」にしてみます。すると…

 

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ほら!複数選択されたセルの数字が、マイナス1されています!

 

 

…ってな感じが、「形式を選択してペースト」でした!

*1:Windowsの場合はCommandはControlになります

*2:なんじゃそりゃ