よしおのブログ

東北芸術工科大学企画構想学科OBOG会のひと・よしおが綴るアンオフィシャルな日報

夏はバイトくらいしかやることがないと思っているならその合間にでも読むべき本(その3)

夏休みに読みたい本を紹介するこのシリーズ。第3弾は「旅や挑戦を後押ししてくれそうな本」を紹介します。その1・その2では内容紹介をすべて自分で書いてみたものの思いのほかしんどかったので、ここからは出版社サイトやECサイトに掲載されている紹介文を引用しながら紹介していきます。

 

(注:よしおは1週間で14冊も本を読んで疲れ果ててしまったので、「ここにコメントが入る」と書いてあるところには、あとから適宜追加していきます。よしおは疲れました。)

 

 

 よしおのおすすめ(9) 『ボクの音楽武者修行』

ボクの音楽武者修行 (新潮文庫)

ボクの音楽武者修行 (新潮文庫)

 

「外国の音楽をやるためには、その音楽の生まれた土地、そこに住んでいる人間をじかに知りたい」という著者が、スクーターでヨーロッパ一人旅に向かったのは24歳の時だった……。ブザンソン国際指揮者コンクール入賞から、カラヤン、バーンスタインに認められてニューヨーク・フィル副指揮者に就任するまでを、ユーモアたっぷりに語った「世界のオザワ」の自伝的エッセイ。(新潮社 公式サイトより引用)

よしおが中学1年生のときに読んで、少年心が思いっきり揺さぶられた本です。今や世界的指揮者としてその名が知られる小澤征爾さんが24歳のとき、師匠からの猛反対を受けながらも単身ヨーロッパに旅立ち、日本では得難い経験を重ねながら世界へ羽ばたく足がかりとなるチャンスを得ていく、勇気あふれる日々が描かれています。

 

ちなみに今でこそ日本を代表する指揮者として誰もが知っている存在の小澤征爾さんですが、デビュー当時の日本国内での受け止められ方は、どちらかといえば「アウトサイダー」的な、いわば新進気鋭の異能の指揮者というもの。そんな小澤征爾さんはある日本のオーケストラと共演した折に楽団員と衝突を繰り返してしまい、ついに公演当日に楽団員全員が現れずボイコットされてしまうという事件*1も起きてしまいます。以来、小澤征爾さんは日本国内での演奏活動を避け、海外でキャリアを積んでいくことになります。

 

よしおのおすすめ(10) 『国境のない生き方:私をつくった本と旅』

国境のない生き方: 私をつくった本と旅 (小学館新書)

国境のない生き方: 私をつくった本と旅 (小学館新書)

 

ヤマザキマリの名言満載、体験的人生論! 14歳で1か月間、欧州を一人旅。17歳でイタリアに留学し、どん底のビンボー生活も経験。様々な艱難辛苦を経験しながらも、明るく強く生きてこられたのは、本と旅、人との出会いのおかげでした! この新書に登場する本は、三島由紀夫に安部公房、『百年の孤独』のマルケスに、『蜘蛛女のキス』のブイグ、漫画界からは手塚治虫に藤子・F・不二雄、つげ義春に高野文子など。

 

旅は、欧州一人旅に始まって、キューバ、ブラジル、ヴェトナム、沖縄、地獄谷のサルの温泉などが登場。 膨大な読書経験と、旅の記憶、強烈な半生に支えられたヤマザキマリの人生論は強くて熱い! 本書に登場する、ヤマザキマリの名言をさわりだけ紹介します(一部、要約しています)

 

「ガンガン傷ついて、落ち込んで、転んでは立ち上がっていると、かさぶたは厚くなる。その分、たくましくなる」 「他人の目に映る自分は、自分ではない」

 

面白くて、勇気が湧き出る体験的人生論です!(小学館公式サイトより引用)

 

古代ローマ人が現代日本のお風呂と出会うコメディ漫画「テルマエ・ロマエ」の作者であるヤマザキマリさんが、自身の半生を「旅」「本」「芸術」「人」といった視点から振り返る人生論的エッセイ。 札幌交響楽団のヴィオラ奏者だった母親の教育方針も後押しとなって、10代にして海を渡りイタリアに留学したヤマザキさん。貧しく苦しいながらも、個性的で強烈で議論が大好きな芸術家たちに囲まれながら留学生活を送り、やがて人生を左右するおおきな気付きを得ていきます。ーー本書とは関係ありませんが、「自分を変えるには、旅に行くか、人に会うか、本を読むかしかない」と言われたりします。ヤマザキさんの生き方は、まさに、それ。自分を変えたいと思いつつもウジウジしている人は、本書に綴られている強烈な人生論に触れてノックアウトされてみてください。まずはそれからです。

 

なお本書では、ヤマザキさんが今日に至るまで触れた芸術作品のタイトルが多く挙げられていますので、映画や美術、文学が好きな人はたまらない一冊になることでしょう。ヤマザキさんが安部公房の名をしきりに挙げていて、僕は思わず「そう!そう!」と頷いてしまいました。*2

 

ところで、AO入試と自己推薦入試で合格した人には「入学準備プログラム課題」というものに取り組んでもらっていて、その課題のひとつに「企画に役立つ本のPOPを作成する」というものがあるのですが、この本を取り上げてPOPにした人がいましたね。誰でしたっけ?

 

 よしおのおすすめ(11) 『パリでメシを食う。』

パリでメシを食う。 (幻冬舎文庫)

パリでメシを食う。 (幻冬舎文庫)

 

三つ星レストランの厨房で働く料理人、オペラ座に漫画喫茶を開いた若夫婦、パリコレで活躍するスタイリスト。その他・規格外アーティスト、花屋、国連職員……パリに住み着いた日本人10人の軌跡。(幻冬舎公式サイトより引用)

「パリでメシを食う」ーーつまり"パリの街角でごはんを食べる"という意味ではなく、パリに暮らし生計を立てる日本人を取材したノンフィクションです。

 

この本に登場する人たちは、決してパリへの憧れを抱いてパリへの移住を選んだ人たちばかりではありません。それどころか成り行きでパリに移住したもののプロとして生計を立てられるほどではなかったところから、目の前の小さなチャンスをひとつずつ掴みながら生活の糧にできるまでに成長していく様子や、窮屈と感じる日本から飛び出してパリに移り住みやがて自分の居場所を見つける様子がノンフィクションながら物語を綴るように描かれています。

 

本書は自身も6年間パリに暮らしたという著者・川内有緒さんのインタビューを介してまとめられています。登場する人たちは誰もがマイペースで軽やかなキャラクターとして描かれていてーー本当はどの方もすごく苦労を重ねた人たちだと思うのですが、肩の力がすっと抜けていくような優しい読後感がありました。「読みやすい」と言えばそれまでですが、著者の川内有緒さんが、いかに相手に寄り添いながら取材を行ったかが想像される良書としておすすめしたいです。

 

 

 

 よしおのおすすめ(12) 『グアテマラの弟』

グアテマラの弟 (幻冬舎文庫)

グアテマラの弟 (幻冬舎文庫)

  

グアテマラの古都・アンティグアに家と仕事と家族を見つけた年子の弟。ある夏、姉は十三年ぶりに弟一家を訪ねる旅に出た。まばゆい太陽とラテンの文化で、どんどん心身がほぐれていく。そして陽気に逞しく暮らす人たちと過ごすうち心に浮かんだのは、外国を知らずに逝った父、家事にあけくれ続ける母のことだった。旅と家族をめぐる名エッセイ。グアテマラの古都・アンティグアに家と仕事と家族を見つけた年子の弟。ある夏、姉は十三年ぶりに弟一家を訪ねる旅に出た。まばゆい太陽とラテンの文化で、どんどん心身がほぐれていく。そして陽気に逞しく暮らす人たちと過ごすうち心に浮かんだのは、外国を知らずに逝った父、家事にあけくれ続ける母のことだった。旅と家族をめぐる名エッセイ。(Amazon 内容紹介より引用)

 

女優・片桐はいりさんが、中米グアテマラに暮らす自身の弟のもとを訪ね、弟一家と一家をとりまく現地の人たちと過ごした日々を綴ったエッセイです。ここにコメントが入るここにコメントが入るここにコメントが入るここにコメントが入るここにコメントが入るここにコメントが入る

 

 

 

 

 

 よしおのおすすめ(13) 『謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア』

“崩壊国家ソマリア”の中で奇跡的に平和を達成しているという謎の独立国ソマリランド。そこは“北斗の拳”か“ONE PIECE”か。それとも地上の“ラピュタ”なのか。真相を確かめるべく著者は世界で最も危険なエリアに飛び込んだ。覚醒植物に興奮し、海賊の見積りをとり、イスラム過激派に狙われながら、現代の秘境を探る衝撃のルポルタージュ。

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よしおのおすすめ(14) 『謎のアジア納豆:そして帰ってきた日本納豆』

謎のアジア納豆: そして帰ってきた〈日本納豆〉

謎のアジア納豆: そして帰ってきた〈日本納豆〉

 

日本は「納豆後進国」だった!?誰もが「日本独自の伝統食品」と信じて疑わない納豆。だが、アジア大陸には日本人以上に納豆を食べている民族がいくつも存在した。日本の納豆とアジアの納豆は同じなのか、違うのか?起源はどこなのか?そもそも納豆とは一体何なのか?納豆の謎にとりつかれたノンフィクション作家は、ミャンマーやネパールの山中をさまよい、研究所で菌の勉強にはげみ、中国に納豆の源流を求め、日本では東北から九州を駆けめぐる。縦横無尽な取材と試食の先に見えてきた、納豆の驚くべき<素顔>とは?日本人の常識を打ち砕く、壮大すぎる「納豆をめぐる冒険」!

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 よしおのおすすめ(15) 『バッタを倒しににアフリカへ』

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)

 

バッタ被害を食い止めるため、バッタ博士は単身、モーリタニアへと旅立った。それが、修羅への道とも知らずに……。『孤独なバッタが群れるとき』の著者が贈る、カラー写真満載の科学冒険(就職)ノンフィクション!(Amazon 内容紹介より引用)

バッタの群れは海岸沿いを飛翔し続けていた。夕方、日の光に赤みが増した頃、風向きが変わり、大群が進路を変え、低空飛行で真正面から我々に向かって飛んできた。大群の渦の中に車もろとも巻き込まれる。翅音は悲鳴のように重苦しく大気を振るわせ、耳元を不気味な轟音がかすめていく。このときを待っていた。群れの暴走を食い止めるため、今こそ秘密兵器を繰り出すときだ。さっそうと作業着を脱ぎ捨て、緑色の全身タイツに着替え、大群の前に躍り出る。「さぁ、むさぼり喰うがよい」(光文社 公式サイトより引用) 

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*1:「NHK交響楽団事件」でググると事の詳細がわかりますが

*2:本書で挙げられるピエル・パオロ・パゾリーニ監督の映画「ソドムの市」は、生半可な気持ちで見ると後悔します。よしおはこの映画を生半可な気持ちで見て完全にトラウマになって、今でも映画の内容を思い出すと吐きそうになります。今これを書いていても吐きそうになっている。